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馬になりたいほど、馬が好き。その思いに気づかせてくれた創造コースは、自分の好きなことを認めてくれる場所

創造コースには、どんな先輩たちがいるの?

そんな疑問に答えていく生徒インタビュー!
今回は、創造コース2年生の菊地 翔馬さんに話を聞きました!


なんでも認めてくれる環境って、すごいうれしい!

ーー菊地さんが創造コースに入学しようと思った理由を教えてください。

高校選びは、僕が通っていた中学校から誰も入学してこない高校に行きたいと思ったのが、最初の気持ちでした。中学生の頃、他人と馬が合わず、仲良くなることができなかったんです。

周りの人は普通に接してくれていたと思うんですけど、そのときの僕は、周りと自分の話してる内容や考え方にギャップを感じてしまって、今どきの話題についていけませんでした。

自分も相手も知らない環境に身をおきたいなと思って探していたときに追手門に出会って、カリキュラムや授業が個人の独自性を尊重してくれる印象を受けました。

おもしろそうな授業がたくさんあり、「創造性」というキーワードも自分にハマっていると感じたことも決め手になりました。絶対、この学校にはおもしろい人がたくさん入学してくると感じましたね。

ーー入学し、実際に受けた授業や学校の印象はどうでしたか?

入学して思ったことは、おもしろいというより、大学や会社のような社会に求められている柔軟性をこの学校は持ち合わせてるなと思いました。

公立高校だと多くの場合、進路は大学に絞られると思うのですが、創造コースは専門学校や海外進学など、多種多様な進路があるように見えました。また、普通の高校だと生徒全員が前を向いて一斉に授業を受けるのが一般的だと思うんですが、創造コースの授業は机を班隊形にして、生徒が話し合いで協力して進めていく授業スタイルです。

他の学校とはいろいろと考え方が違うので、それこそ「創造的だ!」と思ったこともあるし、授業一つひとつがすごい楽しくて。おもしろいという感情もありますが、一番はこの学校の「なんでも認めてくれる環境って、すごいうれしい!」という気持ちです。

話を聞いた 菊地翔馬さん

ーーなんでも認めてくれる環境って素敵ですね。菊地くんが認めてもらえたと感じたことは何ですか?

「馬」についてですね。

1年生のときに受けた表現コミュニケーションの授業で、「自分を表現する、自分を語る」をテーマにみんなの前で、自分はどういうことを伝えたいのかを考えて語る機会があったんです。僕はそのとき、馬について話しました。

正直、馬のことは「好きかなー」くらいに思っていたんですが、授業の中で、先生から質問されながら一緒に自分の考えを整理していくうちに、 僕は「馬になりたいほど、馬が好き」という気持ちに気がつきました。

そこで初めて自分は馬が本当に好きなんだなと分かって、自分の今の目指したいことや思い、目標が形成されていきました。

自分の意見を伝えることは、自分を証明するための方法の1つ

ーーそもそも、馬が好きになったきっかけはあったんですか?

僕の親から聞いた話によると、2歳か3歳の頃に万博でやっていたポニーに乗れるイベントに参加した際に、僕には双子の兄弟がいるんですが、弟は全く反応を示さなかったらしいのですが、僕は喜んで乗っていたと聞きました。おそらく始まりはその時からだったんだと思います。

高校入学後に北海道に行く機会があったのですが、そのときに牧場で馬が走る姿を見て、「馬が走る姿ってすごく美しいな。やっぱり馬が好きだな」という気持ちが溢れ出てきました。

創造コースの授業で人に伝える機会があったからこそ、馬に関わる仕事がしたい。競馬場の馬の世話をする厩務員や競馬にでる馬のトレーニングをする調教師になりたい」と、思いがつながったんだと思ってます。

学校の仲間に馬で起業したいと伝えたら、みんなが「協力するよ!」と言ってくれて、いい環境で学べていると感じています。

ーー自分の好きなものを受け入れてもらえる場所っていいですね。他にも印象に残っている授業はありますか?

2年生のプロジェクトの授業で取り組んだワークショップが印象に残っています。

修学旅行で高知県に行った際に、高知の魅力や文化について知るために地元の方にインタビューをしたり、山でフィールドワークをしました。そこで得た知識や経験を生かして「高知の人々に、改めて高知の魅力を再確認してもら得る機会はないのか?」をテーマに、ワークショップを企画しようと考えました。

「高知の魅力って、なんだろう?」と仲間と一緒に考える中で出てきたのは、高知の人たちの優しさと高知弁でした。高知弁はなまりが強いのですが、どうしたら仲良くなれるだろうと考え、僕たちの関西弁と交流することで、お互いの言葉の理解から仲良くなれるのではないかという取り組みを思いつきました。

みんなでアイデアを出し合うことで1つのことを成し遂げることができたいい経験でした。

ーー中学生の自分と創造コースに入学してから自分、成長や変化を感じますか?

はい、感じますね。自分の人生に対しての考え方、捉え方が大きく変わりました。

昔の自分は、高校生活も大学生活もあんまり考えずに過ごしても、別にうまくやっていけると思っていました。でも、創造コースは自分で考えたり、チームで一緒に取り組むことが多くて、自分の意見が大切になってきます。

僕は昔から自分の意見を人に伝えることが苦手で黙っていることが多かったのですが、主張して伝えることが大切だということに気づきました。自分の意見を伝えることは、自分を証明するための方法の1つとして捉えるようになりました。それが、今の自分の自信にもつながっていったんですよね。

それと同じくらい、人の意見を聞くことが大事であることにも気がつきました。今は、「他の人の意見をちゃんと聞いて考えるようにしよう。言うだけじゃなく、ちゃんと聞こう!」ということを意識しています。

認め合いがあり、自分の世界を広げてくれる場所

ーー中学から主張できない自分から主張してもいいんだと気づくのと同時に、聞くのも大事だという気づきに至るというのは、おもしろいですね。

「雄弁は銀、沈黙は金」という言葉があるように、自分の喋りすぎてしまう自己主張が強いという特性を理解した上で、基本的には聞いた方が世の中うまくいくと思うし、自分の成長につながっていると思ってます。

探究コースの先生たちは自分が馬が好きなことに対して、決して否定せず、「なんで馬が好きなの?」と興味を持ってどんどん深掘りして話を聞いてくれました。だからこそ、僕自身「聞く」ということがとても大事だと気づくことができました。

ーー菊地さんが今後やってみたいことや挑戦したいことはありますか?

フランス語などの外国の言葉や文化を学んでみたいと思っています。僕の学びの出発点は全て、馬から始まっているんです。

フランス語を学びたいと思ったのも、日本だけでなく馬術や競馬が盛んなヨーロッパについて詳しく学びたいと思ったときに、その土地の言語を話せた方が実際に行ってみたときにも役に立つと思ったからです。

今、英語も頑張っているんですが、それも馬を学ぶため。馬術がスポーツとして誕生したことを調べていけば歴史だし、国語や数学だって全部つながっています。

ーー最後に菊地さんが感じる創造コースのいいところって、どんなところですか?

先生だけでなく、クラスのみんなが自分の話に興味を持って、話を聞いてくれるところです。否定しないからこそのありがたみがあり、認め合いがある場所、自分の世界を広げてくれる場所でもあります。

そして僕の場合は、馬から世界が広がっていく場所です。