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創造コースと演劇部の活動に打ち込む充実した学校生活。とにかく「考える」日々が、自分を磨いてくれる

創造コースには、どんな先輩たちがいるの?そんな疑問に答えていく生徒インタビュー!

今回は、創造コース2年生の宮崎煌彩(みやざき きらさ)さんに話を聞きました!


決め手は、この学校なら大丈夫という信頼感

——まずはじめに、宮崎さんの好きなものや今打ち込んでいるものについて教えてください。

私は歌うことが大好きで、小学生のときからミュージカル劇団に入り今も活動しています。

たくさん舞台に立つうちに、自分とは別の人格になりきって、違う人生を追体験できる感覚になれるお芝居も楽しいと感じるようになり、中学では演劇部にも入り、追手門学院高校でも変わらず演劇部に入っています。週4日のミュージカルレッスンと部活の両立はハードですが、フィクションの世界をどう表現して演じるかを考える過程はとても楽しく、充実した毎日です。

ちなみに、劇団の活動の方で去年の夏にパリで開催されたJapan Expoという大舞台に立たせていただく機会があって、本当に良い経験になりました。

——そんな宮崎さんが、追手門学院高校の創造コースを選んだ理由や決め手は何だったのでしょうか?

シンプルに楽しそうだったからというのと、やる気がある人たちに囲まれた環境に身を置けそうだと思ったからです。

そもそも、私が追手門学院高校を知ったのは、大阪私立学校展でした。まずは単純に、校舎が綺麗でおもしろい形をしているので興味を引かれました。その後、創造コースの体験会にも参加してみたら楽しくて、通うのには少し遠いけれどここにしようと決めました。

実は、体験会に行ったときに、ミュージカル劇団の先輩が在校生として参加していて。他にも劇団の同期の友達のお姉さんが追手門の演劇部だったときに、全国大会に行ったという話を聞いたりして、同じ劇団の人たちも通う学校なら大丈夫だろうという信頼感もありました。

——体験会では、具体的にどんなところが楽しかったですか?

体験会は1部と2部に分かれていて、第2部で参加者4〜5人でグループになってレゴで木を作るというワークに取り組みました。初対面だったけれど、皆でワイワイ話しながら協力して取り組んでいく過程が楽しかったです。

頻繁にメンバーが入れ変わるミュージカルをやる私にとっては、その人と一度でも話をしたらもう友達だという感覚があります。なので、ワークを通してたくさん友達ができた感覚になり、すごく楽しかったことを覚えています。

楽しいときも苦しいときも、友の存在が励みになる

——創造コースの体験会で感じた楽しさは、入学後も変わりませんか?

そうですね、ずっと楽しいです。ただ、楽しいの種類が、感情的に楽しい「fun」から、知的な意味も含んだ「interesting」に変わったなとすごく思います。

課題やプロジェクトに取り組むことはときに苦しいこともありますが、そこをいかに興味を持って楽しんでいけるかが重要だと思っているので、自分の身を置く場所を、頑張ってる人が多い創造コースに決めてよかったなとすごく感じました。

先ほど、創造コースを選んだ理由の1つに、やる気がある人たちに囲まれた環境に身を置きたかったからとお伝えしましたが、私にとっての“やる気”の原動力は、友達からきている部分が大きいんです。

創造コースのグループワークや課題に取り組むときは、苦しい時間も結構あります。複数教科の課題が重なる時期もあり、学校の時間だけでは終わらないことも多々あります。そういうときに、家に帰ってSNSを見ていると、たまたま友達が頑張って課題に取り組んでいるストーリーをSNSに上げているのを見て「私も頑張ろう!」と思えます。

ときには友達とオンラインでつないで、お互いに無言だけど「一緒に頑張ろう!」と励みにし合って課題を頑張るなんてこともあります。

いろいろな場所や環境で、それぞれに頑張っている友達の存在があるからこそ、自分が今しんどかったとしても、「友達もきっと同じ。自分だけじゃないんだから頑張れよ、自分」と、自分を鼓舞することができるんです。

——これまで取り組んできた創造コースの課題やプロジェクトの中で、印象に残っているものはありますか?

表現コミュニケーションという授業の「モノログ」という課題が印象深かったです。一人語りの「モノローグ」と「宝物」をかけた造語で、宝物と自分の関係について語るという課題です。

実はこの「モノログ」に近い内容のものを、演劇部が学内公演で上演していたことがあって。私は参加しませんでしたが、それをやっていた同期たちが本当に大変そうで。どんどんやつれていく同期たちを見ながら、「私もいずれこれをやるのか...」と少し怯んでいたくらいです。

でも本番当日、1人で舞台に立って自分のことについて語っている同期たちを見て、素直にかっこいいなと思いました。こんなに自分のことを客観的にも主観的にも見れていて、自分が今思っていることについて言えているその姿がすごくかっこいいなと思って。

「私もやりたいな」的なことをアンケートに書いたら、翌日の表現コミュニケーションの授業で「モノログをします」という展開になって。やりたいとは書いたけど、今じゃないかな...と思ったことをよく覚えています(笑)。(実は演劇部の顧問の先生が、表現コミュニケーションの授業の先生でもあるんです)

——それはいろいろな意味で印象深いですね(笑)。宮崎さんはモノローグにどんな風に取り組みましたか?

私は小さい頃からバレエや新体操をしていたので、ダンスシューズを宝物にしました。

何を語るかを考える上では、自分の過去や考え方などいろいろなことを整理しながらまとめる必要があったのですが、この過程で、自分がやりたい表現は何なのかとか、自分は何のために舞台に立っているのかとか、何のために舞台を必要としているのか、ということをすごく考えました。今までも考えたことがなかったわけではないけれど、こんなにしっかり深く考えることはなくて。

最後は発表するという形式だったので、台本も自分で一から作って、何回も先生とメンタリングして、ここはこうかな、ああかなと試行錯誤していた時間は本当に苦しかったんですけど、後で振り返ってみると、すごく貴重な体験ができたなと思っています。

——その課題を通して、どんな気づきがありましたか?

私は好奇心が旺盛なので、マルチタスクが苦手なくせに、いろいろなものに手を出しがちなんです。でもモノローグを通して、自分が本当にやりたいことは何なのかと一生懸命考えて、自分自身と深く向き合ったことで、自分がやりたいことが何なのかがより具体的にイメージできるようになりました。

私はよく演劇のオーディションに参加するんですが、そうした場面でも迷いなく、「私はこういう人間です!」と伝えられるようになった気がします。

自分自身と深く向き合う上で、そのときの悩みや思ったことなどをノートやドキュメントに書き残していたんですけど、今もそうした記録を見ながら、「私は結局何がやりたいんだろう?」というところに立ち返って考えることができるようになったことも大きいなと思っています。

とにかく「考える」ことを学んだ1年

——創造コースに入って約1年半ですが、宮崎さんご自身に何か変化を感じますか?

より周りの人たちを大切にすることができるようになったかなと思います。人との関わり方やつき合い方について学べたし、1年生では自己理解の機会に多く恵まれたこともあって、自分自身の解像度がすごく上がった気がします。自分がこれから進みたい方向性をはじめ、とにかく「考える」ことを学んだ1年だったなとすごく思います。

私は考える前に体が動くタイプなので、やりたいことをパンパンに詰め込んで余裕がなくなり、パニックになってしまうこともよくあって。去年も何回か先生に助けてもらったことがありました。そうした部分も、少しずつ自分のキャパを考えて行動できるようにもなってきました。

もう1つ言うなら、部活の話になってしまいますが、舞台や演劇に対する捉え方が大きく変わりました。

——どんな風に変わったんですか?

私が幼い頃から表現の世界に触れてきて思っていたことは、演劇の舞台には、演技が上手な人や気に入られた人がオーディションなどで選ばれて舞台に立てる、逆にそうでなければ立てない世界なんだと思っていました。

でも、追手門学院高校の演劇部は「その人がその人でいられるために舞台に立つ」という方針で、演技が上手・下手よりも、その人の声を聴いてもらう場所が舞台であるという考え方なんです。

そんな捉え方ができる舞台があることに、すごく衝撃を受けました。高校生のうちにそういう表現に触れることができたのはすごく大きいことだと思っています。

——創造コースでの学びと、部活動や課外活動での気づきが宮崎さんの中でぐるぐると循環してうまく融合していることを感じます。最後に、これからやってみたいことについて教えてください。

将来はまだ明確には定まっていませんが、歌が歌える仕事に就きたいなと思っています。それこそ劇団四季のようなミュージカル劇団の一員になりたいという夢は中学生の頃から持っているのですが、モノローグを通して、自分にとってしっくりくる表現方法は演劇やダンス以上に「歌うこと」が今一番腑に落ちています。

自分の体が楽器になる歌は、繊細さや精密さをすごくリアルに表現できる表現手法なので興味深いし、シンプルに、歌っているときが一番楽しいんです。これからも、自分の“好き”に一途でい続けたいですね。

そして、創造コースや部活の仲間たちのように、人のために努力できるような人間であり続けたいなと思っています。