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本来の自分の姿でいられる創造コース。自分の好きを叫びながら、世界を広げていきたい

創造コースには、どんな先輩たちがいるの?

そんな疑問に答えていく生徒インタビュー!
今回は、創造コース2年生の辻田 るん(つじた るん)さんに話を聞きました!


座学よりも手を動かす活動が多いコース

ーー辻田さんは、追手門学院には中学校から通っているそうですね。高校で創造コースへの進学を選んだのはなぜだったのですか?

私が中学1年生の頃、追手門学院高校にはまだ創造コースはなくて、その前身となる表現コミュニケーションコースがあったんです。もともとはそっちに行きたかったんですが、途中でそのコースがなくなってしまって、代わりに新設されたのが創造コースでした。

じゃあその創造コースはどんなコースなのかなと気になって、部活の先輩などからいろいろな話を聞いているうちに「めっちゃおもしろそう!」と思い、進学を決めました。

ーーもともとあった表現コミュニケーションコースには、どんな理由から興味を持っていたのですか?

私は、自分が内心に思っていることを、外に出して伝えるということがすごく苦手で、「この苦手意識を克服したい」とずっと思っていました。

自分が思っていることはちゃんとあるのに、それを相手に伝えられないのはすごくストレスだし、相手ともうまくコミュニケーションが取れなくなるのは辛いというマイナスの感情をずっと抱えてきたので...。その負の感情と、ちゃんと向き合わないといけないなという、半ば義務感のようなものがずっと自分の中にありました。

そのため、表現コミュニケーションコースに行って、自分の気持ちや思っていることを表現する方法を練習したいなと思っていたんです。

ーー新たに生まれた創造コースはどのようなところに魅力を感じたのでしょうか?

一番は、座学だけじゃないところです。私は座学で勉強するというスタイルがあまり好きではなくて。

例えば、私は生き物や自然がとても好きなんですけど、図鑑などでただ眺めて覚えるよりも、実物を見て、人から「これはこういうものなんだよ」と話を聞いた方が知識として自分の中に定着するなという実感がありました。

学校の授業は大体が座学中心だと思うのですが、1期生の創造コースの先輩たちの様子を見ていたら、座学ももちろんあるけれど、得た知識をもとにモノづくりをするなど、手を動かして表現するような活動も多いように感じました。それだったら私も学んだことが頭に入りやすいかなと思って興味を持ちました。

創造コース生は、驚くほどの個性の塊

ーー2年生になった今、率直にどんなことを感じていますか?

進学したときから今でもずっと思っていることが、創造コースには本当に個性の塊の人たちしかいないということです。この人にこんな一面があったんだ、という発見が絶えず、今でもずっと驚き続けています(笑)。

きっと創造コースじゃなかったら、クラスで浮いてしまうような個性が強い人たちが集まっているからこそ、逆に誰一人浮くこともなく、すごく明るいクラスになっているのだと思います。

全体的に、みんなすごく切り替えも上手で。創造コースの授業は、事前に聞いていた通り、本当に座学というよりも何かを作るという形でアウトプットして発表するスタイルが多いんです。

その過程ではグタグダしちゃいそうな場面もあるだろうなと思っていたんですけど、意外とみんなやる気いっぱいで、先生が何か指示を出したら、誰かが皆に呼びかけて目や耳を向けるといったことがパッとできるので、切り替え力がすごいなと思います。

ーーそんな個性の塊のクラスの中で、辻田さんはどんな立ち位置なんですか?

私は、意見を言うのがすごく苦手なので、例えば話し合いのときはあまり発言できていないかもしれないけれど、人が発言した内容を聞いてメモを取ったりという形で貢献できてはいるのかなと思っています。

何もできない自分のことがすごく嫌いだったので、自分はこれができない分、代わりにこっちをやろうかな、という考え方を自然としているのだと思います。

何もできない自分が嫌いだし、内心思っていることはすごくたくさんあるのに、それを言えない自分のこともすごく嫌で。でも、できないならできないなりに、こういうことができるんだと考え方を変えることができるようになったかな、と思います。

マイナスなことも、考え方をプラスに変えるだけで、捉え方も変えられるんだということに気づけました

ーー自分自身の変化を感じているのですね。他にも感じている変化はありますか?

人にいろいろ聞くようになったと思います。私は、聞いた内容をすぐには処理できないので、近くにいる人に「今こういう風に聞いたんだけど、こういう捉え方で合ってるかな?」と、なるべくすぐに聞けるようになりました。

創造コースにいるメンバーは、それぞれにしっかりした意見や意思を持っているので、そういうことを聞いても大丈夫だという安心感が不思議とあって、聞きやすいこともありがたいです。

ーー創造コースの先生たちとは、どのような関係性ですか?

創造コースにおける先生方との関係は、本当に今までにない感覚ですね。先生は、先生というよりも、少し年上の同級生...というのは言い過ぎかもしれないけど、すごく距離の近い人たちという感覚です。

私の中で先生という存在は、勉強で分からないことがあったり、クラスでの悩み事があったりしたときに相談する、すごく目上の人という感覚が強くて。でも、創造コースにいて思うのは、目上の人ではもちろんあるけれど、そこまですごく警戒して、緊張して話す必要はないなということです。よく何気ない話をしに行ったりもします。

自分の好きを叫びながら、世界を広げていきたい

ーー先生との関係性が心地良いものだと、学びもスムーズに進んでいきそうですね。創造コースで辻田さんが好きな授業は何ですか?

とても好きな授業が2つあって、それは体育と表現コミュニケーションの授業です。多くの中学や高校ではたいていの場合、体育の授業を男女分けてやる中で、創造コースは男女混合でやるんですよ。一緒にやることがすごく新鮮で驚いたと同時に、とても楽しくて。

好きな授業のもう1つ、表現コミュニケーションは、表現方法にダンスや演劇などを混じえた授業で、自分の内面を深く知ることができるような感覚があってお気に入りです。この授業も男女混ざって取り組めるのもまた楽しいです。

これは私の個人的な感覚なんですけど、男女の差が作り出された空間がすごく嫌で、モヤモヤするんです。

体育だったら、もちろん男女で身体能力の差はあるんですけど、そうした性差に関わらず、個人の差によって同じ動きをしているはずなのに全く違うような動きとして見えてくるのがいい意味で楽しかったり、おもしろいなと思うんです。

ーーなるほど、新鮮な捉え方ですね。創造コースで取り組んだプロジェクトについて、何か印象に残っているものはありますか?

昨年の学年末プロジェクトで、自分自身を振り返って作品を作るというものがあったんですが、その発表の際に、クラスメイトそれぞれの個性が爆発していて印象深かったです。

絵を描いて表現する人がいたり、粘土を使ったり針金をいじってみたりして作品を作る人がいたり。「真」がテーマだったのですが、自分の顔の形を型取って作品にしている人もいました。本当に各々が各々の好きなように表現していて、おもしろかったですね。

これはプロジェクトではないんですが、つい最近も、印象に残ったことがありました。自分の好きな名言を調べて書くという課題があって、何にしようかなと考えていたときに、ふと母から言われた言葉がすごい名言なんじゃないかと思ったんです。

ーーどんな言葉だったのか気になります。

「好きを叫んだら、その分野に詳しい人が、いつの間にか側にいたりするものだよ」という言葉です。

ただ言うだけだったら「そうなんだ」で終わるんですけど、それを言った母自身が、「私はこれが好きだ」と叫び続けていたら、本当にその専門家のような人と知り合っていたことがあったので、すごいな!と思って、その言葉がすごく記憶に残っています。

私たちのような高校生は、学生の立場だからこそ、自分はこれが好きなんだ!っていっぱい叫べる時期でもある。

だからこそ、この時期を無駄にせずに、今のうちにたくさんの人とつながっておいたら、将来そのつながりが何かの形で生きるかもしれない。自分の好きなことでもあるんだし、好きなことは好きなんだっていうことを周りに伝わるように叫んでおけと、すごく言われました。

そんな母の言葉を思い出して、書きました。

ーー素敵なことをおっしゃるお母さんですね。そんな辻田さんの好きなことを起点にした、これからやってみたいことがあれば教えてください。

繰り返しになりますが、私は本当に性別という垣根が大嫌いで。性別の垣根を越えて、例えば今まで男性がやることが当たり前と言われてきたようなことも、実は女性である私にもできたよ、という世界観をもっと広げていけたらいいなと思っています。

そういう意味で、一つぼんやりとではありますが、農業に興味があります。農業は力仕事で重労働だったりするので、男性がする仕事だと思い浮かべてしまうと思うんですよ。

でも、今は作業を楽にする機械も結構あるし、操作さえできてしまえば、高校生の女子でもできたりするので、そういう世界をもっと広げられたらいいなと思っています。

実は近々、文部科学省が推進している「トビタテ!留学JAPAN」というプログラムで、イタリアに行って小規模農業について調べるつもりで、今、準備に追われています。

初めての海外で不安や心配が入り混じるドキドキ感がありますが、自分の好きなものは、男女限らずたくさんの人に広げたいなと思っているので、小さい面積でもできる楽しい農業の形を見てきたいと思います。

ーー最後に、辻田さんにとって創造コースを後輩に紹介するなら、何と表現しますか?

創造コースには個性の塊のような人しかいないので、そんな中に身を置いていると、自分自身も本来の自分の姿でいられるかもね、と言うと思います。

自分の知らない自分に気づかされる機会も多いから、私のように、内心思っていることを普段は出せない子でも、次第に出せるようになっていくよと伝えたいです。

あとは、創造コースは学校の活動だけでも結構時間がカツカツになるんですけど、さらに自分でやりたいことを持ってくる子が多いので、みんな時間に追われ続けるコースとも言えます(笑)。

いかに上手に予定を詰め込みまくるか、という力がつくと思いますよ!!