この環境を手放したら絶対に損する、この場所にいたい。周りからの良質な刺激で、「もっとやりたい!」のドライブがかかる空間が、創造コース
創造コースには、どんな先輩たちがいるの?
そんな疑問に答えていく生徒インタビュー!
今回は、創造コース2年生の山下 七実(やました ななみ)さんに話を聞きました!
不安も含めて楽しめるのは、ここしかないと思った
ーー山下さんは今、部活動や学校外の活動などで夢中で取り組んでいることはありますか?
いろいろやっています。部活動では生徒会実行部・組織部門の部長をさせてもらっていて、主に卒業式の運営などを行っています。
学校外の習い事では、7年ほど続けている空手と、NTTドコモが運営母体になっている中高生限定のオンライン部活「はたらく部」に入部していて、社会人の方々から起業について教えてもらったりもしています。
空手では、大学生や社会人の方々と組み手を組んだり、はたらく部ではさまざまな業界で活躍されている社会人の方がコーチとなって伴走してくれるので、幅広い年代の人と交流できて楽しいです。
はたらく部の活動で今度、自分たちが考えた事業企画をプレゼンする場があるんですが、そこに向けて少しワクワクしています。アイデアを出して具体化していく作業は大変で辛いけど、だんだんと形になっていく過程が楽しくて、今はそれに熱中している感じです。
ーー他者や社会とつながり、多様な価値観に触れる機会を大切にする創造コースとも親和性が高そうな活動ですね。そもそも、山下さんが創造コースを選んだきっかけは何でしたか?
私はもともとは公立高校に行こうと思っていたんです。でも公立1本じゃ心配なので、私立も見ていた中で追手門学院を見つけました。
入試説明会に行ってみると、校長先生の話がすごくおもしろくて。校舎も綺麗だし、先生との相談会のような場では創造コースをおすすめされたりもして、「なんだかおもしろそうな学校だな」という印象が少しずつ積み重なっていきました。
せっかくおすすめされたことだし行くか、と思って参加した創造コースの体験会で、部活などを楽しむ普通の学校生活もいいけれど、学校という場所自体をおもしろくできるのはここしかないかもしれないなと感じて、創造コースへの進学を決めました。
ーー創造コースは、いわゆる「普通の学校生活」を思い浮かべると、かなり個性的なコースだと思いますが、進学を決める際に不安はありませんでしたか?
不安だらけでした(笑)。テストがないと言われたときには、どうやって大学に行ったらいいかな...そもそも大学に入れるかもわからないな...と思ったし、異色の創造コースにどんな子たちが集まるかも想像がつかなかったので、友達できるかな...という不安もありました。
不安だらけだったけど、その不安も含めて楽しめる場所は創造コースしかないんじゃないかなと思えたので入学しました。
ーーその不安は入学して2年近くが経った今、どうですか?
もともと心配性な性格もあって、今もちょっとしたことで不安にはなります。創造コースを選んだことに後悔はないけれど、このコースにいてどれだけのことをできるかは、本当に自分次第な側面が強くて、どうしようかなと戸惑う瞬間もたくさんあります。
それでもやっぱり、この場所で頑張りたいという気持ちが入学以来ずっとあって。なぜかというと、クラスメイトや先生、後輩や外部の方々など、人とのご縁やつながりという面では本当に恵まれているなという実感がすごくあるからです。
「この環境を手放したら絶対に損する、この場所にいたい」と頑張ることで、きっともっと“いいこと”があるよね、という不思議な自信があるから、頑張ろうって思えているんだと思います。
ちなみにどんな“いいこと”かというと、今も将来も、困ったときには絶対に解決できる術が身について、あっさり諦められない自分になれること。それが、創造コースにいて感じる、自分にとっての“いいこと”かもしれません。
抽象と具体を行き来する数学と化学の授業が好き
ーー山下さんが好きな授業や印象に残っているプロジェクトはありますか?
今一番好きな科目は、数学と化学です。
両方とも目には見えないものを扱っているけれど、そうした自分たちが捉えられないものが世界を形作っているんだ、という側面がものすごくおもしろくて、もっともっと深めていきたくなる魅力があります。
得意というわけでもないし分からないんだけど、分かるようになるにはどうしたらいいのかなって自分自身で突き詰めていけるものが数学と化学です。
ーー創造コースの化学の授業を見学したことがありますが、目に見えない理論の世界を、実験によって体感しようとしている授業がおもしろいなと思いました。
目に見えないものをどうしたら目に見えるかを考えて、体現したものが実験なんですが、私は実験から遡っていく瞬間がすごく好きなんです。実験を通して目に見えたものが、遡っていくと見えなくなる。でも実際には、その目に見えない力が働いている。そんなことが日常の裏で起こっているんだ、と気づく瞬間がすごく楽しくて、授業中ちょっとワクワクしちゃいます。
この前は数学の授業でも、自分たちの身の周りにあるものを帰納法的に考えて、科学的に正しいことを証明していくようなプロジェクトに取り組みました。帰納法と聞くとよく分からないけれど、でも実は日常的に皆がしている考え方なんだよ、ということが体験できて興味深かったです。
これは創造コースの先生がよく言うことですが、目に見える・見えないとか、決まっている・決まっていないとか、そういう抽象と具体を行き来するような思考法は自分としては結構好きだし、そこから気づいたことを他の人に聞いてもらうことも好き。
そう考えると、数学と化学は私の好きなことがたくさん詰まった科目で、自分の世界をおもしろくする鍵も、この2科目が握っているのかもしれないな、なんて思います。
創造コースの皆は良き仲間であり、ライバル
ーー授業を通して自分の好きなことを発見できているのですね。創造コースに入ってからの自分に感じている変化はありますか?
まずは、学校の先生とすごく長い時間話をすることも、クラスメイトと深い話をすることも、高校に入って...というか、人生16年間で初めてのことなので、「話す」という行為が自分にもたらす影響の大きさを実感しました。
自分はこんなことを考えているんだよね、ということを本気で伝えるのって実は難しいし、ちょっと不安だし、怖い。だけど、自分の思いや考えが伝わったときの達成感とか、相手がリアクションをくれたときのうれしさというのは、きっと他では味わえないような感情なので、「話す」ことを楽しんでいます。
あとは、中学の頃とは違って授業をおもしろがろうとしている自分を感じますし、もともと負けず嫌いだけど割と諦めも早かった性格が、少しだけ、わがままになって諦めたくない自分になったような気がします。
今までは「挑戦したら負けちゃうから挑戦したくない」という気持ちがあったけど、今は「挑戦するし、負けもしない」という気持ちで、負けず嫌い度がアップしました。普段の班活動でもちょっと嫌だなと思ったときは、「ここは譲ったらあかん」という気持ちが湧いたりもするので、だいぶわがままになったなぁとも思います。
ーーそれは逆に言うと自分の考えや感じていることをしっかり伝えられるようになった、ということでもありますね。
それもあるし、自分で吸収できないものがあることが悔しかったりもするんです。授業をおもしろがれなかったら、きっと、その授業で得られた知識がおもしろくないまま自分の中に定着してしまう。それは悔しいなって思うんです。
私の周りには何事にも全力で取り組む人や、物事を自然体にこなせるような人たちがたくさんいて、そんな皆の姿を見ていると、「ずるいな、私もそっち側に行きたいから頑張る!」と思えます。周りからの刺激で、自分自身にももっとやりたいとドライブがかかる空間が創造コースなので。
やっぱり、負けず嫌いとわがままが加速したかもしれません(笑)。
ーー刺激を受けられる良い仲間に囲まれていることが伝わってきます。
胸を張って言えることは、自分の周りにいる人たちは本当にすごい人たちばかりだということです。「この子のこんなところがすごいんだよな」と尊敬できる分、自分も負けたくないし、置いていかれたくないという気持ちになる。なので、創造コースの皆は良い仲間であり、ライバルですね。
自分だけが追いかけている側じゃなくて、お互いに影響し合えるような関係性であれたらいいなと思います。自分にも何かしら誇れるところがあって、それを真似てくれたり見本としてくれたりする後輩や同級生がいてくれたらうれしいな。たくさんの相互作用が起きている関係性の中で、お互いに良い刺激を与え合えるような形で成長できたらいいなと思います。
ーーすでにいろいろなことに取り組んでいる山下さんですが、これから新たにやってみたいことがあればぜひ教えてください。
高校1年生の頃、何かの自己紹介で私は人生のことを「ジグゾーパズルみたいだ」と表現したことがありました。自分を形作るパズルのピースをどんどん増やしていって、人生という絵を大きくしていきたいなと思っているんです。
パズルのピースが増えたら増えた分、自分を彩る色も増えるし、いろいろなピースで成り立っている自分という存在がすごくユニークな人間になれるはずだと信じているので、世界をもっと広げて自分を形作るピースを増やしていきたいです。