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尊敬できる仲間と、自分と向き合う機会に溢れる創造コース。何事も経験だから、チャンスがあればやってみよう!

創造コースには、どんな先輩たちがいるの?

そんな疑問に答えていく生徒インタビュー!
今回は、創造コース2年生の西山由希菜(にしやまゆきな)さんに話を聞きました!


創造コースで覆された「学校」のイメージ

——まずは追手門創造コースとの出会いを教えてください

創造コースとの出会いは本当に偶然でした。中学生時代は吹奏楽部に打ち込んでいたため、部活動引退まではあまり進路について意識したことはなく、私立の進学校に入学したいとなんとなく考えていました。

当時第一志望にしていたのは、しっかり勉強して推薦をもらえれば関関同立(関西大学・関西学院大学・同志社大学・立命館大学)など学力上位の大学に入れるくらいの進学校です。当時は、それなりに名の知れた大学を卒業し、それなりの企業に入れたらいいなと思っていたんです。

ある日、第二志望にしていた私立高校の説明会が午後にあったのですが、その日の午前がぽっかり空いたんです。そんな空いた時間に合わせるかのように追手門学院高校の説明会があることが分かり、父に連れられて行ってみました。そこで出会ったのが創造コースでした。

——追手門学院高校は、志望校には入っていなかったのですね。

そうだったんですよ。でも、説明会に参加して直感的に「おもしろそう!」と感じたので、両親にすぐに話をして12月半ばでしたが進路変更しました。

説明会で感じたのは、私が知っている「学校」じゃないみたい!ということ。

当時の私にとっての「学校」とは、みんなで前を向いて先生の言うことをノートに書き写して知識をインプットするような、勉強のための場所というイメージで、グループワークなんて想像すらしたことがありませんでした。体験会ではグループで話をしながら授業が進んでいくという形式だったので、「こんな形の学校もあるんだ!」と驚いたことをよく覚えています。

その説明会に創造コースの先輩も何人かいて、すごく楽しそうに学校のことを話してくれたので、素敵だなと心が躍りました。

——素敵な出会いだったんですね。入学して2年目ですが、現在は何か部活動などしていますか?

現在、生徒会の書記兼、生徒会実行部の実行部長を勤めています。担当としては、生徒会に連なる有志団体のとりまとめなどを行っています。

もともと私が高校1年生のとき、文化祭や体育祭以外の学校行事の管理全般を担当する生徒会実行部組織運営部門という組織があったんです。備品や倉庫の管理、文化祭や体育祭の補助業務、そして卒業式の準備などもしていたのですが、その組織が私にとっては本当に居心地が良くて。

その組織は昨年度で無くなってしまいましたが、クラス以外の居場所もほしいなと思い、今年は生徒会に立候補して活動をしています。

——学外での活動にも、積極的に参加されていると聞きました。

はい。フリースクールのイベント企画やSNS投稿のお手伝い、NPOでフライヤー制作、枚方市の土曜教室のボランティアスタッフ等々、いろいろしています。最近では、とある無料自習室の広報担当という新たな役目もご依頼いただきました。どんな依頼も「この機会を逃すまい」と思ってお手伝いさせていただいています。

私は、ただ高校に通うだけでは経験できないことをしたいと思って、この創造コースに入りました。創造コースのクラスメイトに、高校入学前はフリースクールに通っていた子がいて、その子は今もそのフリースクールのお手伝いを続けていて、私も一緒に手伝いに行くようになりました。そうするうちに、運営の手伝いをしないかと声を掛けてもらい、今につながっています。運営側に回ってみたら、そこで出会う子どもたちとも仲良くなって、皆本当にかわいいんです。

いろいろなところでお手伝いとして関わらせていただいていますが、どこも等しく100%の熱量を注ぐことを大切にしています。

何事も、経験。学内外のプロジェクトには積極参加

——創造コースに入学してから出会った、西山さんにとって魅力的な人はいますか?

たくさんいますが、私は先生が魅力的だと感じています。

まず私たちの担任の佐藤 佑平先生。創造コースでは、友達はもちろん先生もニックネームで呼ぶことが多いので、普段は「ゆうちゃん」と呼んでいます。ゆうちゃんは私と真逆で、私はすごく感情的なタイプで論理的に思考することが苦手な一方、ゆうちゃんはとにかくロジカルな人。自分にはない思考だからおもしろいなと思います。

創造コース1期生の担任をしている髙木 草太先生(そうちゃん)もおもしろいです。そうちゃんは良い意味で、つかめそうでつかめない雰囲気の人。すごく独特な雰囲気で、今まで私が関わったことのないようなタイプの人だと感じています。だからこそ、もっと関わって、そうちゃんのことを知りたいとも思っています。

——そんな魅力的な先生と学ぶ創造コースの授業の中で、特に印象に残っている授業は何ですか?

探究の時間に実施した「仮面プロジェクト」が特に好きです。このプロジェクトは、自分の憧れを詰め込んだ仮面を作り、その仮面をつけて理想の自分になりきるというものです。自分が憧れている人や物を出して、そこに含まれている要素を洗い出していったら、驚いたことに今の自分とは正反対の、クールでおとなしくてカッコいい、というイメージが浮かび上がってきたんです。

友達の中には、今の本人とほぼ同じようなことを書いている人もいたので、「憧れ」という言葉も、人によってこんなにも解釈の幅があるんだということにびっくりしたし、印象に残っていますね。

仮面プロジェクトで作成した仮面をつけて、校内で写真撮影をした

私は、このときに描いた憧れの自分になりたいと思っています。完全にそうなれなくても、この授業で見つけた一つ一つの要素を自分に取り入れて、近づいていきたいなと思います。

——プロジェクトに関しては、学内で取り組むものだけでなく、学外で実施されているものにも参加されているそうですね。

はい。北海道網走市と一緒に取り組ませていただいた「網走探究プロジェクト」という、地域探究のプロジェクトに参加したことがあります。

このプロジェクトは、実際に北海道網走市を訪れ、地域の特産品を生かした商品開発を行い、市長にプレゼンテーションをするというもの。他校の生徒とチームを組んでプレゼンテーションを実施したのですが、結果はボロボロで上手くいきませんでした。

今となっては、自分の中ではグループ発表の失敗例というか、一種の戒めとして記憶しているほど苦い思い出で、ある意味印象的です。

もう一つ印象に残っているのは、高1の12月に、立命館学園が実施するアントレプレナーシップ教育企画「起業キャンプ」に参加したことです。参加者同士でグループを組み、2泊3日で新規事業案を考案するというプロジェクトでした。

アイデアを考えたはいいものの実現難易度がとても高く、「実現可能性」という壁を越えられませんでした。とても大変だったのですが、そのしんどさを乗り越えた経験が今となってはとても良い思い出です。

——学校外での挑戦で得た気づきや学びは、きっと西山さんにとって大きな価値があったのでしょうね。

昔から両親には「何事も経験だよ」と言われてきたので、「とりあえずチャンスがあったら何か経験してみよう!」という意識で、できるだけたくさんのプロジェクトに参加してきました。プロジェクトで関わった大人の方たちとは今でもつながっていて、特に大変だったプロジェクトを共有できた大人とは、強いつながりが築けていると感じています。

自分より長く生きていて、私とは全く違う経験をしているそうした方々が歩んできた人生の一端を聞かせてもらえることにすごく興味を持つようになりました。だから、今お手伝いしているフリースクールの大人の話もよく聞いています。

以前はそんなことにあまり興味はなかったので、創造コースに入ってから自分の考え方がすごく変わったなと感じています。

創造コースで出会った仲間に憧れて

——創造コースに入る以前の西山さんを、ご自身はどのように捉えていますか?

中学生の私は、どちらかといえば真面目すぎて疎まれてしまうようなタイプでした。とはいえ、人前に立って話をするのは、何か詮索されるような感覚があって嫌で...。

そう思うようになってしまったのには、きっかけがあります。あるとき、何気なく自分が好きなものの話をしたときに、否定的な受け取り方をされたことがあって。そんな風に受け取られてしまうなら、もう話したくないなって思ってしまったんです。

たった一回の出来事でしたが、その経験がもとになって、「次もそういうことが起きるのではないか?」という意識が働き、どんどん人に話を聞かれるのが嫌になったのかなと思います。

——こうしてインタビューに答えてくれている今は、とても自然体で話をしているように感じます。なぜ西山さんはそこまで変われたのでしょうか?

創造コースに入って、自己分析をする機会がすごく増えたからだと思います。自己分析の中で、自分は自分のことを知られるのが好きじゃない、その気持ちはどこから来たんだろうと探る機会がありました。

自己分析の過程で「知られたくない自分」に気づいた後は、「そんな自分をどこから変えていこう?どうしたら良い方向に向かっていけるだろう?」とじっくり考える時間があったことが大きいです。

もう一つは、友達の影響が大きいです。創造コースの友達が、本当にすごいんです。入学してから話を聞いてみると、15年でそんなに濃い人生を送ってきたの?と思う人たちばかりで。しかも皆、そんな自分のことを堂々と語れている。その姿がすごくかっこよくて、羨ましくて。自分もこんな風になりたいと思ったんです。

そうやって自分を見つめ、自分を語る機会が多いから、だんだんと怖さが薄れて慣れてきたのかもしれません。

——創造コースでの日々の中で、西山さんの内面にも大きな変化が生まれているのですね。最後に、今後やってみたいことがあれば教えてください。

それが、あまり思い浮かばなくて。というのも、既にいろいろな活動に参加していて結構「満腹」なんですよ(笑)。

だから「これ!」というものが明確にはないのですが、今している活動が一段落したら、今までの人生で触れたことがない分野にも触れてみたいです。例えば法律関係とか。自分から関わりにいかないと関われないような分野に、何かしらの形で一度は触れてみたいと思っています。

あとは、一人旅にも行ってみたいですね。行先は決まっていませんが、とにかくどこか一人で遠くまで行ってみたいです!